今回は4月3日からアニメが放送開始される『波よ聞いてくれ』をオススメします。
「いやあ~~~~ッ、25過ぎてから男と別れるってキツいですね!」
札幌在住、スープカレー屋で働く鼓田ミナレは、酒場で知り合った
地元FM局のディレクター・麻藤兼嗣に失恋トークを炸裂させていた。翌日、いつものように仕事をしていると、店内でかけていたラジオから元カレを罵倒するミナレの声が……!
麻藤はミナレの愚痴を密録し、生放送で流していたのだ。
激昂してラジオ局へ乗り込むミナレ。しかし、麻藤は悪びれもせずに告げる。「お姐さん、止めるからにはアンタが間を持たせるんだぜ?」
ミナレは全力の弁解トークをアドリブで披露する羽目に。
この放送は反響を呼び、やがて麻藤からラジオパーソナリティにスカウトされる。「お前、冠番組を持ってみる気ないか?」
タイトルは『波よ聞いてくれ』。北海道の深夜3時半、そしてミナレは覚醒するッ!
というあらすじだけ見ると「これ面白いの?」という疑問を感じざるを得ません。
だが断言します。このマンガ、面白いです。
作者は時代劇マンガ『無限の住人』の沙村広明。
『無限の住人』は画力を活かした躍動感溢れる戦闘シーンが大きな魅力であり、
斬り合いで人がバンバン美しく死んでいくシリアスな作品でした。
対して『波よ聞いてくれ』はコメディ要素の強い作品です。
『無限の住人』でも登場人物の間で皮肉めいたユーモア溢れるやり取りがちょこちょこありましたが、
『波よ聞いてくれ』はその部分が強くプッシュされています。
特に主人公の鼓田ミナレのセリフは面白く、読んでいて思わずニヤニヤしてしまいます。
私は普段ラジオを一切聴きませんが、こんなパーソナリティがいたら恐らく聴いてしまうでしょう。
それだけセリフ選びが秀逸で、沙村広明のセンスの高さに私のような小物はただただひれ伏すばかりです。
これがアニメになってどういう風に仕上がるのかも楽しみです。
セリフが重要な作品のため、他のアニメよりも声優さんの演技の重要度が高まることでしょう。
私は普段アニメを一切見ませんが、もしかしたら見るかもしれません。